松葉ヶ谷雁信

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葬儀について

ここ最近葬儀が続いております この中で ひょっとしたら何故葬儀を営まなければならないのだろうと思っている方もおられるでしょう 今日はその葬儀についてお話をしたいと思います ご存じの通り亡くなった方をお送りするのには沢山の宗教があり 多くの葬儀の方法があります 日蓮宗の葬儀で特徴的なことは 仏様ご自身が最高の教えであるといわれている法華経やそのエッセンスが詰まったお題目をお唱えすることと引導を授けることです

亡くなるということは 肉体と魂が離れるということです ですから 亡くなった方は自分に今何が起きているのかわからず混乱していることが多いのです 日蓮宗の葬儀では ①その混乱している魂に落ち着いてもらうこと ②今まで生きていた世界から既に離れてしまったことを理解してもらうこと ③仏様の最高の教えを再び聞き理解してもらうこと ④安心して次の世界へと旅立ってもらうこと ⑤そして仏様と宗祖日蓮聖人にこれから個人がそちらに行きますから宜しく頼みますとお願いすること このような目的のために行われます

言い方を換えれば 法華経やお題目をお唱えすることで 仏様や日蓮聖人にこれから故人がそちらに行きますから宜しく頼みますとお願いします 故人に対しては 法華経やお題目をお唱えすることで 落ち着いてもらい 仏様の最高の教えを再び聞いてもらいます そして引導により 仏様の教えをきちんと理解したのかを確認し 今まで生きていた世界から既に離れてしまったことを理解し 安心して次の世界へと旅立ってもらうために行うのが日蓮宗の葬儀なのです そして このようなことで お別れはとても悲しいけれども 残された私たちも安心して故人を見送ることができるのです

旅立った故人はどこへ行くのでしょうか 日蓮宗の教えでは 仏様の世界に生まれ変わり 仏様から直接法華経の教えを受け 修行し 悟りを得るとされています 悟りとは 仏様と同じようになることであり 苦から開放された永遠で最高の幸せとお考え下さい ですから 日蓮宗の葬儀によって送られた方は 仏様の御許で 永遠で最高の幸せな人生を送るべく出発したと考えることができます

人は亡くなって 49日かかって次の世界に辿り着きます 長い道のりですので それを確実にするために 途中で迷わないようにするために 7日毎の法要を行っています

私たちがお唱えしたお経の中で 仏様は私たちを導くと言われています 日蓮聖人は お手紙の中でその時が来たらすぐ側まで迎えに行くと約束されています だから 私は安心してこの教えが信じられます だから 私は安心してこの教えと共に生きていけます だから 私は安心してこの教えと共に死ぬことができます

故人は 皆さんが忙しい中時間を割いて集まって下さったことに大変感謝をしていると思います そして 私と共にお経やお題目をお唱えし 祈りを捧げたことをとても喜んでおられると思います その功徳により 故人は長い道のりを正しい方へと旅立ちます

私達はこの世でもう2度と故人に会うことはできません それはとても残念で悲しいことです しかし 今故人は仏様の御許へ歩き始められたのです 永遠で最高の幸せを目指して進みだしたのです そしてそれは私たちにとっても嬉しいことでもあります

葬儀の時には 寂しく思っている方も多いでしょうし 感謝を伝えたかったと思っている人も多いと思います もっと話をしたかったなど いろいろ心残りを抱えている方も多いと思います そのような気持ちをどうしたらよいのか 是非故人に伝えて下さい 直接そのまま話しかけても結構です しかし もし可能であれば 南無妙法蓮華経とお題目をお唱えすることによって伝えて欲しいと思います お題目は最高の祈りの言葉であり 自分が仏になるための言葉であると共に 先に逝った人に通じる唯一の言葉であり また私たちを悲しみから救う言葉であるからです

故人への惜別と感謝の気持ちを込めて 皆でお題目を3回お唱えしてお話下さい

2014年2月9日